では、第一候補であるAUD/JPY、つまりオーストラリアという国について、経済事情なども含め詳しく分析していきましょう。
オーストラリアの経済事情が不安定であれば、この先、チャートも大荒れとなる恐れがあり、自動売買「ループイフダン」の運用に影響が出てきます。
オーストラリアの情報と分析
オーストラリアの通貨取引をする上で、抑えておきたい経済データ等をまとめてみました。
いくらFX初心者でも、自分が取引きする通貨の最低限の情報は、分析する必要があると思います。
1政策金利
オーストラリアの政策金利は1.5%です。
FXトレードする上で、とても重要な政策金利とは、各国の中央銀行が、一般銀行に貸し付ける際の金利のことです。
景気が悪い時には、金利を下げると、各金融機関は、中央銀行から低金利で資金が調達できます。
低金利で調達した資金は、個人や企業にも低い金利で貸し出しができ、それにより設備投資や個人消費に、お金が回りやすくなります。
その結果、経済活動が活発になり、景気が上昇していきます。
FXトレードでは、この政策金利がどのように影響してくるか考えていく必要があります。
各国の政策金利は、国の経済事情により異なります。
例えば日本の政策金利は-0.1%で、オーストラリアが1.5%で、金利差があります。
FXでは、この金利差を調整すために、スワップポイントというものが付与されます。
低金利の日本円(-0.1%)を売って、高金利のオーストラリアドル(1.5%)を買うと金利差1.4%が生じます。
オーストラリアの政策金利の一覧を参照ください。
オーストラリアの政策金利
年/月 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
1月 | 2.50 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 |
2月 | 2.25 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 |
3月 | 2.25 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 |
4月 | 2.25 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 |
5月 | 2.00 | 1.75 | 1.50 | 1.50 | |
6月 | 2.00 | 1.75 | 1.50 | 1.50 | |
7月 | 2.00 | 1.75 | 1.50 | 1.50 | |
8月 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 | |
9月 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 | |
10月 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 | |
11月 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 | |
12月 | 2.00 | 1.50 | 1.50 | 1.50 |
この1.4%分の金利差調整分がスワップポイントとして毎日付与されます。
つまり、豪ドルを買って持っているだけで、毎日、利息がもらえる感覚です。
なので、毎月発表される各国の政策金利発表は、とても重要となります。
ここ数年オーストラリアの政策金利は、1.5%で据え置きとなっていますが、オーストラリア政府としては、金利をあげたいと思っています。
金利があがれば、円とオーストラリアドルの金利差が更にでるので、スワップポイントの付与度も高くなります。
しかし、世界経済が不安定な状態では、中々、利上げに踏み込めない状況です。
逆に、世界経済の影響で、オーストラリアの経済成長が下降してくると、金利を下げるなんてシナリオもでてきます。
金利が下がると、スワップポイントの付与度も下がりますので、これは困ったことになります。
2GDP(国内総生産)
GDPの推移
国内の生産活動による商品・サービスの産出額から原材料などの中間投資入額を控除した付加価値の総額。
つまり、国がどれだけ稼いでいるかを見る指標です。
GDPが高いと海外から評価され、安心して投資できます。
3CPI(消費者物価指数)
普段買い物するときの物の値段です。
CPIが上昇すると、物の値段が上がり、インフレ傾向になるため、政策金利をあげて、金融を引き締めます。
トルコや南アフリカ・メキシコなどの新興国などが代表的です。
逆にCPIが低いとデフレとなるので、政策金利を下げて金融を緩和します。
日本は、政策金利を下げて金融を緩和している状態ですね。
このようにCPIの数値により、物とお金のバランスをとるために、金利を調整していくので、非常に大事な指標となります。
アベノミクスや黒田日銀総裁などは、2%の物価指数を目指すと常々言っているのをニュースでみますね。
だいたい2%~3%くらい(ゆるやかなインフレ状態)が安定してよい数値と言われています。
4失業率
オーストラリア国内の、企業の景気を判断する上で、重要な指標です。
失業率が高いということは、国内に仕事がなく、不景気だということが判断できます。
失業率:日本とオーストラリアの比較
現在のオーストラリアは、日本と比べると失業率が高いですが、ゆるやかに下降線をたどっていますのでよい傾向です。
オーストラリア政府の目標は、2020年までに失業率4.75%を目指しています。
5オーストラリアは資源国家
オーストラリアの産業は鉄鉱石・液化天然ガスの輸出が、国の大きな産業となっています。
アジアの経済成長により、地理的にアジアに近いオーストラリアも大きな影響を受けています。
今では、オーストラリアの最大輸出国となった中国をはじめとするアジアの鉱物資源の需要が高まり、それに伴い、オーストラリアの経済成長も順調に伸びている状況で、この経済成長は、しばらく継続しそうです。
ただし、中国の発展が止まると、オーストラリアも多大な影響がでそうなので、中国の経済状況にも注意していく必要があります。
いずれにしろ、オーストラリアの鉱物資源の輸出増加により、高度な採掘装置・技術・サービス産業も付随して成長しているので、鉱物の輸出が減ると、そのままオーストラリア経済の悪化になるので、新たな産業の取り組みにも注目していきたいです。
6貿易相手国
主な輸出相手国
オーストラリアの輸出割合は、中国・日本・韓国など東アジアに占める割合がとても大きいです。
特に、中国の割合が大きいため、中国が経済的にこけるとオーストラリアにも大きく影響するため、中国のGDP・CPI・PMIの発表はおさせておいた方がよいです。
経済指標発表は管理人はコチラのサイトを利用しています。
7 オーストラリアの経済成長率
経済成長率の比較
オーストラリアの経済成長率は、1992年以降、長きにわたりプラス成長を続けています。
日本でもマイナス成長の時期があったりすることが、表によりわかりますが、ずっとプラス成長するというのは、とても大変なことであり、それだけ安定した経済国家ということがうかがえます。
長期で運用するのであれば、安定した経済成長というのが、必須条件となります。
8一人当たりのGDP
一人当たりのGDP比較
GDPを人口で割った平均値です。
一人当たりのGDPは、国家全体ではなく、国民一人当たりの経済力・生活水準を表す指標です。
いくら国家のGDPが高くても、国民一人当たりのGDPが低ければ、一人一人の生活は貧しいということになります。
オーストラリアは経済大国である中国や日本よりも一人当たりのGDPは高い水準になっています。
安定した経済ですと、安心して取引きができます。
特に「ループイフダン」で自動売買する場合は、長期で運用することになるので、安定した経済状況が必須となります。
まとめ
オーストラリアは、経済成長も順調に成長しており失業率もゆるやかに下降しています。
さらに、国民の一人当たりのGDPは日本よりも高い状況で、非常に安定して豊かな国と判断できます。
長期で自動売買「ループイフダン」を運用していくには、日本円との通貨ペア国の経済状況を、考えなければなりません。
その場合、相手国が安定した経済であるというのが必須条件となります。
また、自動売買「ループイフダン」で一番利益が取れるのがレンジ相場になるので、為替も安定している必要があります。
経済が安定しておらず為替変動が大きい場合、ポジションのロスカットにつながるので、政策金利が高くても安定性に欠ける国とのペア通貨は、自動売買の場合は避けた方がよいです。
その点、オーストラリアは現在の経済状況も今後数年の経済状況も安定していると予想できるので、FXの自動売買「ループイフダン」に適した通貨と判断できます。